Ⅶ-40 着物の処分・古着(その4)

ご存知の通り、着物は超高額の商品もあるが、普段着として安価な商品もある。今は余り着られなくなったが、綿やウールの着物。安い紬地など昔は普段着として着られたものである。親から譲られた着物の中には、そう言った普段着の着物がある一方で、嫁入りの為に親が娘の幸せを祈って仕立てた高価な紋付や訪問着、大島紬や結城紬もタンスに眠っている。

それらの着物を譲られた人の多くがその違いが分からずに処分・売却しようとしている。その為に私の処へ相談にいらっしゃる人が多いのだけれども、果たしてそれらは区別して業者に引き取られているのだろうか。

前述したように、古着を買い取ってそれを店に並べて売って商売するのはそう簡単な事ではない。余程安く仕入れ(買取ら)なくては商売にならないのだろう。

普段着のウールの着物などは、買い取る側からすればほんの二束三文の値段は避けられない。しかし、玄人の目で見てはっきりと価値が分かる着物も二束三文と言う事はないのだろうか。

私は着物を処分売却する立場、着物を買い取る立場どちらかに加担するつもりはさらさらなく、売りに出される着物の立場を考えるとやるせない気持ちになるのである。

古着として処分される着物は買った価格から比べれば二束三文になるのは避けられない。しかし、売却する立場、買い取る立場双方が売却される(買い取られる)着物を尊重してほしいと思うのである。

着物には、それを織った人染めた人の心が込められており、それを買って仕立てた人、また仕立てた職人の心も宿っている。それらの心を十分に理解した着物の処分であって欲しいと思う。

着物を処分する方法は様々あるけれども、自分が処分しようとしている着物がどのような着物なのかをまず理解していただきたい。着物の事がよく分からない方には難しいかもしれないけれども、着物に詳しい人や近くの呉服屋さんで一度見てもらえばよいと思う。

自分が持っている着物がどのような着物なのかを理解すれば処分の方法も変わってくるだろうから。また、長年箪笥の中に眠っていた着物に対する礼儀だとも思えるのである。

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