Ⅶ-33 日本文化はどこへ行く(その4)

日本人が日本の文化に興味を持たず大切にしない一方で、外国からいらっしゃる方の中には、進んで日本文化に触れようとする動きもある。

インバウンドと騒がれる昨今、日本を訪れる外国人がよくテレビに映るようになった。私が最も驚いたのは、箸を使う外国人が増えたことである。

昔、私が子供の頃は、「外国人(西洋人)は箸が使えないんだよ。」と聞かされていた。日本人は何気なく箸を使っているが、考えて見れば箸を使うのは難しい。箸を持ったことのない人に箸を使えと言っても、フォークの様にしか使ないだろう。

「日本人は器用だから箸を使うんだ。」とも聞かされ、日本人は器用で西洋人は不器用だ、などと言われもない優越感を持ったりしたものだが、テレビに映る外国人の中には器用に箸を使う人も多い。そば屋、ラーメン屋、マイナーな居酒屋を訪れる外国人は実に起用に箸を使う。

全ての外国人が箸を使う訳ではないが、日本の文化に興味のある人たちは、相当に練習を積んだかもしれない。日本の文化に触れ、日本の文化を理解したくて箸を使うのだろう。

蕎麦やラーメンを食べる時にフォークで、と言うのではやはり日本の生活シーンではない。居酒屋でお通しをつまむのには、やはり箸が似合う。日本に触れたいと思っている外国人が箸を使うのはそんなに処にあるのだろう。

私は仕入れの為、浅草に良く行くが、浅草寺、仲見世の辺りは外国人でいっぱいである。浴衣や着物を着ている外国人も多くなった。中には、「これが着物?」「こんな着方で」と思われる人もいるが、彼らが日本の文化に興味を持っているのは間違いない。

裏を返せば、日本人が西洋文化に目を向けるのと同じかもしれないが、自分の文化をまず大切にするのが他の文化を理解する第一歩である。「便利だ、楽だ」に流される前に、しっかりと日本の文化を見つめ、その上で目の前の問題、即ち「料亭で座れない人をどのように処遇するか」を考えるべきと思う。

これほど深い日本の文化を初めから否定する姿勢は日本文化の崩壊につながる。これは保守的な考え方からではなく、日本人としてもっと豊かな生活を送るのにつながると考えるからである。
外国から来た人達が称賛する日本の文化をもっと理解し大切にする必要があるのではないだろうか。

「このままでは日本文化はどこへ行くのだろう」と心配になってしまうのである。

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