Ⅶ-ⅹ 絵絞り庵再訪記

 先日、仕入れの為に京都へ行ってきた。以前は京都へは年に2~3回は行っていたが、最近はめっきり回数が減ってしまった。売り上げが減少し仕入れる商品が少なくなったこともあるが、取引していた問屋が廃業、閉店あるいは倒産して京都との取引が少なくなり、多くは東京から仕入れるようになり京都には余り用事がなくなったこともあるが、行くのは久しぶりである。

 山形から京都に行くには、飛行機か新幹線である。どちらで行っても時刻の関係で京都に着くのは昼頃である。一泊しても次の日午後3時には京都を発たなければならない。一泊二日と言えども何軒も問屋を周るには意外と時間がない。

 加えて最近はインバウンドのお陰で京都のホテルはなかなか取れないという。金に糸目を付けなければとれるのかもしれないが、短期間で安宿を確保するのは至難の業である。問屋に相談してみたが最近は京都ではホテルが取れずに、しかたなく大津のホテルに泊まる人もいるという。

 そんな訳で今回は夜行バスの往復で京都に行くことになった。バスで行くのは初めてである。夜7時40分に山形を発つと翌日朝6時18分に京都駅八条口に着く。そしてその夜9時30分に京都駅八条口を発ち翌日朝8時に山形に着く。二晩バスの中で寝ることになる。

 六十歳を過ぎて初めての京都日帰り旅行であるが、36時間寝ないで過ごすと思えば何という事もない。帰りのバスに乗ってしまえばあとは何とかなるだろうと言う目算もあった。

 考えて見ればバスで行けば、朝6時から夜の9時まで丸15時間京都で動けることになる。運賃は半額以下である。一泊で出張するよりも効率がずっと良い。そういう訳で午後7時40分に山形のバスターミナルでバスに乗り込んだ。

 バスは出発して山形県内で2か所停車する。そして県境を越えて新潟に入る。県境の山を下ると関川という道の駅がありここでトイレ休憩。最後の休憩である。時刻は午後10時。

 関川を出ると日本海東北自動車道に入る。バスの座席は十分なリクライニング。枕や毛布も用意されているが足元がちょっと狭い。椅子を倒してうつらうつらして新潟市を過ぎ北陸道に入ったと思われる頃寝入った。

 気が付くと滋賀県内を走っている。賤ケ岳サービスエリヤで運転手交代の為停車。午前4時過ぎである。4~5時間は眠れたようだ。

 バスは京都東インターチェンジで降りる。1号線を走って山科を通り五条に出る。この辺りは30数年前に走った道なのでどこを走っているかが分かる。堀川通を左に曲がり京都駅裏、八条口に着く。時刻は予定より早く午前6時を回った頃。夜が明けきらない京都の町は小雨が降っていた。バスを降りたが、飛行機や新幹線での入洛とはまた違ったものを感じていた。

つづく

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